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2005.06.25

少年向けで主人公が嫌われる作品も珍しい

劇場版の『Zガンダム』を観てしまうと、どうしても『SEED DESTINY』と比較してしまいます。・・・まぁ正確に言うと「比較」ではなく「ダメさの再確認」ですけどね。だってオマージュやリスペクトという類のものではなく、単なるパクリなんだもん(苦笑)

カミーユにしても人間的には決して好感度が高いとは言えないキャラなんですが、周りの大人たちから刺激を受け、考え、最終的には芯が一本通ったキャラへと成長します。周囲もカミーユを「子供」として扱うので、善い方向へ導こうとするんですよね。
これが『SEED』の場合、作品中で子供を軍人とすることを正当化するため、「プラントでは16歳で成人」という設定があるので、シンは「大人」として扱われてしまいます。そのため周りからの働きかけは少ないですし、シン自身もあれこれ考えることをしないという悪い結果になっています。
シンの、目に余る行動も「16歳なんてまだ人生経験の少ない子供なんだから仕方ない」という見方をする人もいますが、それは間違い。現実世界なら確かにそうですけど、劇中では「成人」ですからね。社会的責任能力もあるとみなされているわけです。
そもそも「大人」という設定を無理矢理作ったにも関わらず、「子供」として描いていることがいけないのです。尤も、未完成の大人がどんどん排出される現実を皮肉ったものなのかもしれませんけどね。

更に救いようのないことは、シンはダースベイダーをモデルとしている点。ダースベイダーは最初に悪役(主人公の前に立ちはだかる壁)として人気を博したからこそ、フォースのダークサイドへ取り込まれる過程が引き立つんですよね。シンはゼロから墜ちていくだけなのでギャップを楽しめるわけでもなければ感情移入しやすいわけでもない。結果的に嫌な面だけが目立つという羽目に陥っています。

前作のキャラが目立ちすぎるのもマイナス点。新しく主人公とサブキャラを立てた割には、作品を引っ張っているのは前作からの続投組。前作のキャラがいなくても成立するようなストーリー構成になっていないのです。無論、続投キャラがいる前提でストーリーを作るのはOKなのですが、『DESTINY』の場合主人公がすり替わってもストーリーに全然影響を及ぼしません。だったら主人公引継ぎでいいじゃない?という話。いわゆる『ガンダムW』のOVA版のように。
少なくとも主人公を作ったのならストーリーを動かすのはあくまでもシンでないと。

基本設定をパクった部分がこういう致命的な欠点になってしまっているせいもあって、余計にストーリがグダグダに見えてしまうんですよね。話の展開に対して内容(内面)が全然ついていってないので薄っぺらくなってしまっています。だからシンは非常に難しいキャラであるはずなんですが・・・なんで演技の下手な人にやらせているのか理解に苦しみます。

映画を観ながら気になったのはこういうキャラクターとストーリーの関係が一番ですね。細かい部分は『Z』だっておかしなところはありますから。いつも言ってることですけど、何から何まで完璧な作品などありはしませんから、「良い点>悪い点」であればいいんですよ。当然、人によって感じ方は違いますから人それぞれの評価がある。ですが『DESTINY』は「ガンダム」と「続編」という点を抜きにして考えた場合、何も残らないような気がしてしなりません。
今更無理な話ではあるとは思いますが、ガンダムファンとしては『DESTINY』にも駄作で終わって欲しくはありません。番組終了時に、どこかしら良いところが見つかる作品になってくれればいいのですが・・・。商品が売れてるのは番組の人気が理由ではないということに気づいてくれていたら少しは違ったでしょうに。

シンはこのままだと「ウーイッグはどちらでしょう」という最終回になりかねません。

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